【ORAS環境終盤使用】マニューラ軸のはずが、いつの間にかに受け回していたマニュクレセバナドラン+ミトム霊ランド 其の一(構築の概要とマニューラの紹介)
最初の記事ということで、
記憶が新鮮なここ数か月で結構な頻度で使用した構築のお話です。
長くなってしまいそうだったため、表題のような形で2回に分けてご紹介させていただきます。
最終盤ということで、今思うと、それ以前より遊び心の薄いかなりガチガチな感じの構築ですが、マニューラ×受け系統の並びの可能性を感じていただければなと思います。
1.構築の概要
並びは以下の通りです。
①マニューラ@いのちのたま(ようきAS)
つららおとし/はたきおとす/けたぐり/こおりのつぶて
サイコキネシス/れいとうビーム/どくどく(→後にでんじはへ)/つきのひかり
ヘドロばくだん/めざパ地(→後にじしんへ)/やどりぎのたね/こうごうせい
④ ヒードラン@たべのこし(おだやかHdS)
ふんえん/どくどく/ちょうはつ/みがわり
ハイドロポンプ/10万ボルト(→後にほうでんへ)/ボルトチェンジ/おにび
⑥ ランドロス@ラムのみ(いじっぱhAS)
じしん/がんせきふうじ/とんぼがえり/ステルスロック
構築のコンセプト(というより着想)は、シンプルに「マニューラを活かす」でした。
マニューラは、
・必要十分な火力と高い素早さで環境上位の多くのポケモンに高い圧力をかけられ
・現環境のメジャーな物理受けにも一方的に不利を取らない
・高いSから先制技も打てる
という強みがありながらも
※独特の攻撃範囲ゆえに一部の物理受けでもないメジャーポケモンに容易に受けだされてしまう場面や、弱点がかなり多く耐久値も並以下のため相手を倒しきれないと倒されてしまう場面も多く、結果味方の負荷が増す
という弱みのあるポケモンだと感じていました。
そこで、その苦手な相手のケアを周りでひたすらしてあげれば、最終的にマニューラが通り切って押し勝てるんじゃないかなあという安易な発想で組み始めたのが今回のパーティです。ですので、今回は上の①→⑥の順に不足点を補うために必要そうな性能を持ったポケモンを選んでいった結果の産物となります。
そういうわけで、当初は受け回しを意識して組み始めたわけでは全くありませんでしたが、結果としてそうなっていく過程が以下になります。
2.マニューラに関する所感
① マニューラ@いのちのたま(ようきAS)
努力値 4-244-4-x-4-252 実数値 146-171-86-x-106-194 特性:プレッシャー
つららおとし/はたきおとす/けたぐり/こおりのつぶて
A.構築の出発点となったアタッカー
以下の理由により、物理アタッカーとして環境に刺さっているのではと妄想しました。
ⅰ. 必要十分な火力と高い素早さで環境上位の多くのポケモンに高い圧力をかけられる
具体例としてはガブリアス、ゲンガー、ボルトロス、ゲッコウガ、クレセリア、ボーマンダ、ギルガルドあたり。あとは、耐久振ってないガルーラやキノガッサ(ねこだましが必要)あたりでしょうか。持ち物が大いに活躍する現環境では、はたきおとすの一貫性の高さと追加効果も非常においしいです(もちろんメガ石は辛い)。
ⅱ.現環境のメジャーな物理受けにも一方的に不利を取らない
具体例としては先ほどのべたクレセリア、おにびで止めに来る霊全般、輝石をはたかれたくないポリゴン2、ガルバシャクチートあたりを等倍で数値受けを目指すカバルドン、バシャやアロー等の炎技やマンムー等の氷技意識で採用されやすい水物理受け(スイクン、ブルンゲル等)、アローやメガマンダの飛行技意識で入ってくる電気物理受け(ボルトロス、サンダー等)、闘・地を受ける飛行物理受け(ギャラドス、ランドロス等)、一部の草物理受け(モロバレル、ジャローダ等)。こう見るとメジャーな物理受け全般に強いor一定妨害できると評価できます。
もちろんブラッキーなど例外は居ますが。今回はそこのフォローは楽でした。
ⅲ.高いSから先制技も打てる
これは上の2つとするとだいぶささやかな点ですが、ねこだまし(結局今回は入っていませんが)とこおりのつぶてという非常に便利な先制技があります。
これらの技は、マニューラの高いSにより現環境では最速アローのブレバ、メガミミロップのねこだまし、からやぶ勢の先制技、つぶてに優先度で勝るしんそく以外には基本先手を取られずに済みます。
ねこだましは対面性能をあげてくれますし、所持の有無にかかわらず、ねこだまし+何かでほぼ何もできずに処理されるのでは?という圧力を相手に与えられます。
つぶてはカイリューを除く竜全般を竜舞やスカーフ関係なしに強く縛ることができますし、ボルトロスの悪あがきでんじはをくらわずに済む場面が出たり、キノガッサへの遂行技になったり、ふいうちをすかしたりと有用性は極めて高いです。
しかし、ここまで褒めちぎったものも、一方でかなり辛めの弱点もあります。
※独特の攻撃範囲ゆえに一部の物理受けでもないメジャーポケモンに容易に受けだされてしまう場面(前段)や/弱点がかなり多く耐久値も並以下のため相手を倒しきれないとこちらが倒されてしまう場面(後段)も多く、結果味方の負荷が増してしまう
という点です。
前段の代表例はバシャーモ、マリルリ、クチート(ほかメガハッサム等)です。氷技をつぶてだけにすると妖全般にも隙を見せるため、動きの中でそれがばれると、ニンフィアなんかですら後出しされうります。いずれも火力が非常に高く、引き先を十分に用意してないと対面してしまった時点で崩されかねません。
後段は、耐久だけでなく火力の話でもあります。
耐久値自体は、無振りの場合、物理耐久はA200じしんで中乱数/A特価アローのプレートブレバで高乱数という程度のイメージ、特殊耐久はC222ヘド爆の最大乱数+毒スリップをギリギリ耐える程度のイメージです。氷タイプお決まりの耐性の芳しくなさ、珠やゴツメダメージ、メジャーな先制技がある闘や鋼が弱点であることもあいまって、どうあがいてもペラペラの耐久です。
火力面は、A171なり172の珠持ちの場合、厳密な計算上は違いますが、A222~224程度に換算できます。特化鉢巻アローや特化ちからもちマリルリに近い値ですね。
しかしマニューラの技威力は、メガ石以外の道具持ちへのはたきおとすこそ97とそこそこの値がありますが、つららおとしの85や不一致のけたぐりなどを考えると、決して高くなく、等倍でアタッカーを一撃で落としきったり受けポケの弱点をついて一撃で沈めきるというレベルではありません。そういう意味で、攻めるところを選ばないと返しの技で倒されたり、麻痺や火傷で無力化されがちなポケモンです。
B.上記の弱点をどうするか
前段は、お相手の交代自体は読みやすいため、役割破壊用の技をマニューラに入れるという選択肢もあるにはあります。
具体的にはバシャーモを筆頭とする対格闘用のつばめがえし(元よりバシャには、けたぐりが威力80で入るんで全く負荷かけられないわけではないです)、マリルリやニンフィアに通すどくづきなどです(鋼妖は無理なんで勘弁してください)。
ただし、上記はいずれもろくに乱1すら採れない程度の火力です。
そもそも、これらの技以外であっても、
・確定で欲しい、はたきおとす
・結構な相手にサブとしては高威力に抜群を取れ氷が通らない鋼に通る、けたぐり
・竜への汎用性を確保でき、先制打点としても十分なこおりのつぶて
・メイン打点兼ひるみでの勝ち筋を残せる、つららおとし
・繰り出すだけで一定のアドバンテージがあり対面性能が高まる、ねこだまし
・はたきの火力効率を上げ、崩しも担える、つるぎのまい(珠型ではリスク大)
などそもそも本来の役割を協力に遂行していく上で、技スペはカツカツです。
つまり、つばめがえしやどくづきを入れるのは、マニューラのメインとなる技範囲や威力をどこか捨てることに直結することになってしまい、今回の「マニューラの強みを活かしきる」という方針には全く合わない選択です。というわけで上の辛い子たちへの打点は度外視し、完全に後続にお任せすることに。
この時点で、
★バシャの受け先に「②クレセリア」
★マニュクレセに一貫し非常に重い妖全般に強く、腹太鼓マリルリに安定して後投げでき、構成次第ではメガクチをごまかせる枠として「③メガフシギバナ」
までが確定しました。
耐性的には両者に求められるものを持っているドククラゲというポケモンも検討したのですが、やはり物理受けとして数値が足りていない点、バシャからの電気技やクチートからの悪技で致命傷を負う点が辛いため見送りました。
後段については、ねこだましという対面性能向上&ダメージ積み増しの技を入れることで多少フォローできるかと考えていましたが、それによるデメリットも目立ち、また、基本的に何サイクルか回す動き方になるため「サイクルの中で落としきれる場面が出た時点で攻めに転じればいい」と割り切る方針に切り替えました。
C.マニューラ自体の構成について
Ⓐ持ち物に関して
今回は、サイクルを回すこと、それ故にステロを撒かれやすいことと非常に相性が悪いです。また、耐久無振りメガゲンガーすら(はたきおとすで)中乱数になるなど瞬間火力があまりに不足。不意のスカーフ持ちや、苦手な先制技持ちへの行動保障にはなりますが、そういった状況での引き先を用意するのが目標の今回は合いません。
☆ラムのみ
大前提として、マニューラは相手の引くタイミングが読みやすい点、メイン技であるはたきおとすが同一の相手には1回目しか最大威力が出ない性質である点、タイプ一致で通りが良い先制技を打てる点、などからつるぎのまいとの相性が良いです。
実際の対戦の場面でも、状態以上でのごまかし程度しかできないクレセリアを筆頭とする超霊系の受けポケ、でんじは撒きから入りがちな(’気合玉のない)受け指向の化身ボルトロス、ねっとうやけど期待になるスイクンなど対面から積んでいけるポケモンは少なくいです。それをサポートする上で最適なアイテムがこれになります。
しかし、やはり今回のマニューラに期待するのは崩しや全抜きではなく、メジャーな役割対象に上から落とす圧力を与え、引き先にもできるだけ負担をかけることであるため、やはり瞬間火力の無いこれはナシでした。ただ、複数体が順次積んでいくことで次の自ポケの起点となる受けポケを引き出せるような構築では、非常に相性がいいアイテムと思いますので、いつか使ってみたい気がします。
☆いのちのたま、などの火力強化アイテム
今回は、終始そこに落ち着いてしまった定番アイテムいのちのたま。
無補正A全振りでは足りてない、メジャーなアタッカー気質の役割対象への遂行火力を実現するためには、何らかの火力強化が必要になります。
その中でも珠は内分けがきくうえ、交代先への負担も増せ、中高速アタッカー潰し兼フィニッシャーとして動く今回のマニューラに非常にマッチしています。
鉢巻を持たせせると、追加効果も相まってはたきおとすが極めて強力な一貫性を持った技になりますが、抜群技を打ち分けて上から潰して行けるマニューラの魅力を捨ててまで持たせる必要性は感じませんでした。
帯やとけない氷なども打ち分け性能と最低限の耐久を保ちつつ、抜群で攻めていく役割対象への火力確保を行ってくれる点でナシではないとは思いましたが、どのみちある程度強力な技(特に物理技)では珠ダメがあろうと無かろうと危うい程度の耐久でしかないです。よっぽど明確に確定耐えしたい攻撃などが無ければ、「やられる前にやればいくら柔くても関係ない」的思考で、珠が安定した持ち物に思えました。
無補正A244振り@珠で、有意なダメージ上昇例と言えるのは下記のあたり。
・H252B4振りメガゲンがはたきで超高乱数1(164-194/167)
・HB特化クレセリアがはたき2連で高乱数(218-260/227)
・H全振りボルトロスがB実数116までなら氷柱落としで確定1
・CSボルトロス(H4B4)がねこ+礫で超高乱数(152-179/156)
・B4振りガブリアスに礫が中乱数(172-204/184)。なお、A252振りすることで乱数が1個ずれるため、180-216/184となり、超高乱数で落とせるようになる。ねこで削れば確実。ヤチェ持ちガブも基本的には氷柱落としで貫通できる。
・H無振りあたりのカイリューはB種族値がガブと同じでH種族値で劣るため、マルスケさえ削ってしまえば礫でほぼほぼ確定(172-204/167)。対面からは氷柱落としがマルスケ込み186~222ダメで確定で貫けると考えていい。特化鉢巻or特化一竜舞神速は最大ダメ127で確定耐えするが、珠ダメ二回と合算で乱数になる点に注意。
・B4振りメガマンダに威嚇後氷柱落としが高乱数1(196-232/171-202)。威嚇なしの場合、礫が確2(132-160/171-202)。竜舞で抜かれる前提で死に出しなどから処理する場合には、いくらかでも削っておくことを意識しておく必要がある。
・B4振りサザンドラ、ラティアスに氷柱落としが196-222/最大HP199or187なので、まずまず確1。ラティオスはいわずもがな。
・H4B4振りメガガルーラがねこ+けたぐりで中乱数(170-199/181)。耐えられるとほぼ間違いなくふきとばされるため、安易に突っ張れません。
・H4B4振りゲッコウガをねこ+抜群けたぐりで確定(153-182/148)。変幻自在後でも等倍はたきおとすで中乱数1(138-163/148)。なお、ラム持ちで多いBCS振りテンプレ配分の場合にはねこ+けたぐりで超低乱数(129-153/149)になる。ただし、向こうからもねっとう程度しか有効打がないことがしばしばである。
・ASキノガッサがねこ+礫でちょうど確定(136-163/136)。
・H252D4振りギルガルドがはたきおとすで12.5%の乱1(144-170/167)。削りが必要な上、キンシもあり安定しないため、マニューラに任せるのは危険です。
Ⓑ性格に関して(ようきorいじっぱり)
マニューラは最速でS実数値194、準速でS実数値177となります。
(準速)A特化に近づけることにより、上の計算で一部表れている乱数を確定にまで持ち込める、単純に交代先への負担を増せる、多くの場面で安定択にできるねこだましの火力を底上げできるなど一定のメリットがあります。特に、スカーフ個体を除いて準速マニューラを抜けないガルーラ、ガブリアスを代表格とする中速以下のポケモン(厳密にはS108族以下)を強く意識する場合には選択肢になりえます。
(最速)一方で、最速にすることでS110~123族の上を取れるようになります。このS上昇は非常に大きく、代表的には、以下のようなポケモンに上から有効打を押し付けていけるようになり、強い圧力をかけられます。
メガ前ゲンガー、エーフィ、ラティアス、ラティオス、メガメタグロス、化身ボルトロス、ジャローダ、ココロモリ、ライコウ、アグノム、エルフーン、フーディン、メガボーマンダ、メガピジョット、ゲッコウガ、オンバーン等
以上だけでなく、時折メリットとして感じられるのは、
・同族対決を五分五分まで持っていける点
・準速ファイアローの上を取れる点
・130族抜きを意識しないorあきらめた竜舞・加速・スカーフポケモンのS調整先として比較的多い(上昇・補正後)最速ゲッコウガ抜きの上を取れる点(バシャーモ、竜舞メガバンギ、竜舞メガギャラドスなどで実際上を取れた例が多々ありました)
・同じく一定数見られる、Sを最速ゲッコウガ抜き程度まで削り、HBに振り分けることで鉢巻アローのブレバ、いじスカガブのげきりん、メガバシャーモのフレドラなどへの耐久調整を施したであろうようなメガゲンガーの上を取れる。
以上より、月並みではありますが、やはり第六世代ORAS環境では最速が汎用性の面で大きく勝る印象でした。特に今回のような周囲が鈍足なパーティでは、マニューラの「上から処理できる性能」を削る余地はないように思います。
なお、準速ではSを173や170まで削るなどの選択も取れるため、耐久調整の余地が生じますが、珠ダメの回数で確定数が簡単にずれてしまう珠型には馴染みません。
Ⓒ4つの技選択に関して
上でも書きましたが、マニューラの技スペはフルアタ構成にしてもかつかつです。
特に珠型では、悪一致技として汎用性が高いはたきおとす、重いポケモンが溢れる現環境では打つ機会が非常に多い(加えて、はたき+けたぐり、こおり技+けたぐりにより受けを許さずに済む相手もかなり多めです)けたぐり は基本的に抜けません。
となると、残り技スペースは2つとなり、ねこだまし、つららおとし、こおりのつぶてから2つ選択が基本線となってきます。
なお、高威力氷技としてはれいとうパンチも一応ありますが、火力×命中率の期待値でつららおとしにかなわない上、追加効果の発動率・親和性の面でも大きく劣り、更には接触というデメリットを抱える(わるいてぐせを活かしたいなら別ですが…)点で、命中率以外ほぼ褒めるとないです。外しは受け入れましょう。
私個人は、初期は、対ガルーラやゲッコウガ、キノガッサ、ガブリアス性能を意識して「ねこだまし+こおりのつぶて」で使っていました。しかし、
・ねこだましが珠ダメを負ってまで繰り返し打つには絶対的なダメ量が貧弱。
・有利対面で交代先に通していける高威力技がはたきとすだけになってしまう。
・ねこだましを打つ対面で物理受けに引かれるかどうかの無用な読みが発生する。
・氷技でしか遂行できない相手対面で威力40のつぶて以外を選びづらい。
など、「ねこだましの特定の相手への遂行以外の場面での使いにくさ/つららおとし(高威力氷技)が無いことによる動きにくさ」が目立ってしまいました。
結局、ねこだましは、対面した相手を倒すor一定削っておくことが重視される、いわゆる対面構築的な並びでマニューラを採用する場合には非常に有用なのだと思われますが、 しっかりとした有利対面以外では引くのが基本の今回は不要という強い実感が生じ、冒頭に記したつららおとしを採用した技構成に落ち着きました。
長くなってしまいましたが、マニューラ自体の性能についての考察はここまでとし、次の記事でマニューラの周りを固めたポケモンたちについて簡単に説明させていただこうと思います(仮にも、構築記事である以上は、本来そちらがメインです)。